IFの世界〜偽りの真〜

□第七話
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「度つき?」
「伊達。指紋はつけんなよ」
「はいよ。所でセイ、俺達を集めた理由は?」


ここで漸く本題に入った。
幸村も小さく頷き、椅子に腰掛ける。


「知っての通り、最近この辺りでは謎の失踪が問題になってる」
「それの犯人ってAKUMAだったじゃん」
「そう。『犯人はAKUMAだった』でも謎の失踪は続いているの、知ってた?」
「そういや昨日から後藤の姿を見てないのう」
「後藤君つったらいっつも俺に喧嘩売ってくるあの?」
「ああ」


赤也が疑問符を大量発生させている。
それに気が付いた仁王が説明をしてくれた。


「後藤っちゅうんは成績上位者の一人で、順位は常に柳生の一つ下。じゃけ、柳生を敵対視しとるんじゃよ」
「廊下ですれ違うたんびに厭味を言ってくるので、『私』で対応するのが大変なんですよ」


紳士の異名を持つ者として、困った様にため息を漏らす。
幸村も、その考えに賛同した。


「確かにそういうのは一喝した方が楽だよね」
「そういう奴なら、いきなり居なくなるのはおかしいな」
「ピヨッ。しかも柳生とちごうて、勉強一本のドガリ勉。親に言わず外泊・無断欠席はせん奴やし」
「ってことは、精市の言う通りなのかもな」


そこから先は言葉にする事は無かったが、四人の考えを共有するにはそれで十分だった。




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