IFの世界のIFの話
□もう一枚の鏡
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――――――
びっくりした。
なんじゃったんだ? アイツは。
鏡でも見てるかのような奴じゃったな……
「おい、仁王。なんでさっきの奴に嘘付いたんだよぃ」
「あ?」
同じ部活に入っている丸井じゃったっけ? が俺に聞いてくる。
誰か詐欺にかけたかのう……
「あ、でも、アイツ、D組の柳生だろぃ? 変だよな。真面目な紳士で有名なのに嘘をつくなんてよ」
アイツ、表の世界では
「柳生っちゅうんか」
学校に通う零崎
鏡を見ているような不思議な感覚
自分の様で自分じゃない
そう。しいって言うのなら
「虚像……」
「仁王?」
不思議そうに俺を見る丸井
「なんでもなかよ」
そう言うと俺は荷物をフェンスの脇に下ろし球拾いに混ざった。
――――――
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