君の消えた世界
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おばさんにおっしーを紹介したら
「なら町を案内してあげなよ」
って言われた。
元々その気だったけど。
取り敢えず、がっくんを呼び出したはいいが、なぜか今ゲーセンにいる。
「クソクソ! 忍足君強すぎ!」
「次俺がやるCー!」
「なんぼでも掛かってきぃ」
三人が楽しそうに格ゲーやってるからま、いっか。
「あー! 俺も負けた………。亮もやってよー」
「忍足君マジ強すぎだし」
「一回だけね」
これの次の機体は全国対戦出来たからやり込んだけどな。
勿論、対戦相手は淳と柳沢。
「「忍足君に勝った!」」
俺の良く使う(勿論、次の機体の話だよ。クスクス)必殺技は隠しコマンドに設定されてたらしく(こっちは今日使った機体ね)、おっしーから勝利を奪い取った。
「次どこ行く?」
「あるんやったらCDショップがええな」
「あっ! 俺予約したいのがあったC」
おっしー希望のお店に向かう。
途中でさっきの格ゲーで何故隠しコマンドを知っていたか聞かれたけど、適当にはぐらかしといた。
おっしーとじろくんがお目当てのコーナーへ向かった中、俺はCDショップ内を適当にうろつく。
「あれ?」
新曲コーナーに見覚えのあるシングルが置かれている。
ちょっと気になって近づいてみたけど、やっぱり
「これって、確か………」
『このグループ、マイナーだけど好きなんだ』
『ふぅん』
『………ほんと、亮って音楽に興味が無いね』
『淳より、髪の手入れにお金がかかるだけですよーっだ』
頭の中で、日常の一部が蘇る。
「淳が好きだった、グループ………」
気が付いたらそのCDを持ってレジに移動していた。
そこにがっくん達が合流する。
「亮がCD買うって珍しいな」
「このグループ、マイナーだけど好きなんだ」
意識した訳でも、聞いた事がある訳でも無いのにそう答えた。
(家で聞いてみると、やっぱり淳が好きそうな曲だった)
(次の部活は帽子辞めて鉢巻きで参加よっと)