梔子隊

□第三話
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「う……」


幸村が目を覚ますと見知らぬ天井が目に入った。


「こ、こは……」


体を起して軽く周りを見渡す。
そこは個室にしては少し大きい和室であった。
どっちにしろ見覚えはない。


ガラッ


襖が開くとそこから周助が出て来た。


「ねぇ」
「ごめん!」


幸村が何か言おうとしたが、周助がそれを遮った。


「さっきはあんな手荒な事をして。幸村の霊圧が暴走気味で、ブン太がピンチだったから…つい………」


幸村の傍らに座って謝る。
それを見た幸村はふっと笑みを浮かべた。
少し悲しそうな影をちらつかせながら。


「ううん、不二は悪くない。悪いのは俺だ。ブン太は悪くないのに俺がブン太に酷い事をしたから…」
(ノアの力が生きていたら、きっともっと酷い事してた)


不二もふっと笑みを浮かべて「体、大丈夫?」と声をかける。


「うん。なんか、ちょっと変な感じがするけど。それより此処は?」
「此処は幸村の部屋だよ。右隣が俺の部屋で、此処は角部屋なんだ。幸村ってガーデニングが好きだったよね?」
「え? うん」
「だったらこれも気に入ってくれるかな」


そういうと入って来た襖を全開にする。
するとそこには純日本庭園が広がっていた。


「隊長の自信作だよ」
「! ……凄い。俺も昔、庭で色々やったけど、それとは別格だ………」


暫く見とれていると不二が小脇に抱えていた荷物を幸村に差し出す。


「これ、着替え。僕達が着てるのと同じ奴だよ」
「ありがとう」


を死白装受け取り、周助に着方を教えてもらいながら着替えた。





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