梔子隊

□第七話
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「ヒロ!」


仁王は片割れがいるであろう、場所に走った。


「ヒロ、どこじゃヒロ!」


仁王の記憶と、片割れとしての感覚をフル活用して柳生を探す。
そして、学校から少し離れた河原で見慣れた二人組を見つけた。


「ヒロ! 赤也!」
「マ………サ………」


二人と対峙した仁王は二人から違和感を感じて、警戒する。


「…………ヒロ、怒っとらんから正直に言うてみ? 人のロッカーに悪戯したんは誰じゃ?」
「…………ぶ…ちょ、です」
「ほう。んで、その部長様は何処に?」
「わ……の……し、ろ」


それを聞いた仁王は後ろに跳躍した。


「………おまんは何者じゃ?」


そして、二人の背後を睨みつける。


「ふむ、少しかかりが悪かったか」


なにか特殊な術か道具を使っていた様で、その声とともに男が姿を表した。
その上、仁王の質問を無視してその男は呟く。


「おまんは、何者じゃ?」


もう一度その男に質問を投げ掛けた。


「ん? お前は俺が見えるのか。俺は………世界を変える者、とだけ言っておこう」
「二人に何をした」
「部下にしただけだ」
「ふざけるな!」


イノセンスを発動させて、いつでも攻撃が可能なように構える。


「その鎖、柳生比呂士と同じ物か? なら、お前の出番だ。ゆけ」


男が自分の代わりに仁王に向かわせたのはなんと柳生だった。


「ヒロ?!」
「逃げ……て」


手刀に鎖を纏わせ、切りかかってくる。


「ヒロ、ヒロ! しっかりしんしゃい!」


柳生に攻撃が出来ない仁王は鎖を使い辛くも避け続ける。


「なま、え……もう、一つ………の」
「もう一つ? ………!」


柳生は仁王に何かを伝えようとしていた。
だが、その意思とは裏腹に柳生の攻撃の手は休まらない。


(ジョーンズ姓が、どうしたんじゃ?!)


「見つけた!」
「何で二人が戦ってるんだよぃ!」


そこに周助・幸村・丸井の三人が到着した。
そして、仁王の援護をしようと近づこうとする。


「ちっ、死神か」
「「来るな!」」


だが、二人の叫びでその場を動く事が出来なかった。




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