梔子隊
□第八話
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赤也と柳生を布団に寝かせてから四人はリビングで話し合っていた。
「問題はこれからだね。一応、太一に簡単に報告はしておいた」
四人の雰囲気はとても重い。
「仁王、本当に心当たりねーんだな?」
「じゃから何遍言えば解るんじゃ。幸村や俺達はまだしも、赤也にはターゲットにされる理由がなかと」
先程から二人はこんなやり取りしかしていない。
「やっぱり、二人が起きるのを待たなきゃ駄目かな………」
何度目かの沈黙が四人に降り注ぐ。
すると、そこに寝ている筈の柳生が壁伝いにリビングへとやってきた。
「では、オチオチ寝てられませんね」
「ば、何起きとんのじゃ! 後一日は絶対安静にしちょれ!」
仁王が急いで駆け寄り、柳生の肩を掴み支える。
「これぐらいの無茶は、何時もの事じゃないですか」
「じゃけど、今は無茶してまで倒したい相手はおらん!」
仁王が座っていた席に柳生を座らせる。
「そうとも、言い切れません」
「どういう意味だい?」
訝しげに周助が質問をする。
「彼の名前は劉陶弥、斬魄刀、でしたっけ? を所持していました」
「それって、死神って事かよぃ…………」
面倒臭い、と言わんばかりに椅子の背もたれに寄り掛かる。
「あからさまに面倒臭さそうな態度取らないの」
「精市は俺のお袋かよぃ!」
この手のやり取りに慣れている柳生はそんな二人を無視して話を続けた。
「おそらく、何処かで虚を倒した所を見られたのでしょう」
何か考えていた周助は独り言のように口を開いた。
「……だったら、なぜ二人の洗脳が解けた?」
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