梔子隊
□第十一話
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空座町のとある公園でルキアが虚を退治していた。
「『朽木ルキア』、だな?」
「何者だ! 貴様!」
劉陶弥がいつの間にかルキアの側に立っている。
「奪え、無月」
その一言と共にルキアを切り付ける。
その距離と速さに、咄嗟の判断が出来なかったルキアは斬られた衝撃で地面に倒れ込んだ。
「まずは一人。行くぞ、朽木ルキア」
無月の能力は『洗脳』。
名前でその身を縛り、心を閉じ込める。
その為には己の霊圧を付着させ、真名を斬魂刀に教える必要があるのだ。
無言でルキアが立ち上がると、劉の後ろに続いてこの場を立ち去った。
―――――――
「おし、これで理論上は大丈夫なはずだぜぃ」
14番隊の研究室で丸井と越前親子が何かを完成させていた。
「起動テスト………こればっかりはどうしようもない、か」
三つの同デザインの腕輪のうち、一つをつまみ上げてリョーマが呟く。
「取り敢えず、実験台は俺達でいいんだな? 局長」
南次郎も腕輪を手に取り、腕にはめる。
「ああ。南次郎は梔子隊のメンバーじゃないから狙われない可能性が高い。だから起動に失敗した時は分かってるな?」
最後に丸井も腕輪をはめる。
「おうよ」
「リョーマも無理すんなよぃ?」
「当然」
二人の瞳は科学者の瞳から、戦士のそれに変わっていた。
そして、南次郎の瞳は保護者のそれになっていた。
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