戯言な戯れ事

□喞人の理解
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「さて、何処から説明したもんかのう」


氷帝レギュラー陣が椅子に座り、鏡瞑と岶識が立っている。
顔色を見る限りでは大丈夫そうだが、数人は二人の事を敵対視している。


「だったら、質問してもいいか?」
「よかよ。んで、最初の質問は?」
「………お前らは何者だ? そして、あいつらは何者だ?」


この場にいた人間が一番気になっていたであろう質問をした。


「そうですね……跡部君ならご存知かもしれませんが、私達は『暴力の世界』の住人です」
「『暴力の世界』ってあの『暴力の世界』ですか!?」


鳳が驚き、立ち上がる。
それに宍戸達も驚いた。


「なんだよ、長太郎『暴力の世界』って」
「実は世界って大きく四つに別れているんです。今俺達が生きている『表の世界』、玖渚機関が支配していると言われている『経済の世界』………鳳家や跡部財閥もここに入ります」


そこで柳生が説明を引き継ぐ。


「そして、私達殺し名と呪い名が生きる『暴力の世界』」
「あいつらは推測にしか過ぎんが、跡部財閥を敵に回した雇われの表の殺し屋じゃろ」


事情を理解出来た鳳は再び顔を真っ青にした。


「仁王は石凪の人間か?」
「よう分かったのう」
「石凪の死神は大鎌を使うと聞いていたからな」


ちらっと横目で鳳の様子を伺う。


「石凪鏡瞑、それが本名ナリ。『黒い白馬(シルバーホース)』って名前は有名な方かのう」
「んで、柳生とジローは?」
「私は零崎岶識、またの名を『詐欺師な紳士(ノットファントム)』と申します」


軽く頭を下げる。


「そして、芥川君は……おや、本人が来た様です」


その言葉に氷帝レギュラー陣は入口を見る。


「ジロー………」


跡部が心配そうに声を漏らす。
だが泥酔は気にも止めていない。


「思っとったより早かったのう」
「そう? 普通だよ? そういえば、今は何してたの?」
「自己紹介の真っ最中じゃ。後は泥睡だけじゃよ」


会話をしながら鏡瞑達の隣にやってくる。


「あ、本当? 俺は闇口泥睡だよ。『夢見の泥睡』とも呼ばれてるC」
「それで『主』か」


一人納得する跡部


「跡部は『暴力の世界』の事知ってるの?」


先程の会話を知らない泥睡は首を傾げる。


「跡部財閥は『財力の世界』の財閥だ。玖渚機関の隠れ蓑として『表の世界』で活動している」
「ふーん。あ、言っておくけど、主と俺は契約はしてないCー。俺が勝手に主って呼んで闇口として使って貰ってるだけだよ」
「だったら俺様はどうだ?」
「………え?」


何を言っているのか理解出来ず、思わず聞き返す。


「俺様を本当の主にしねえか? ジロー。………いや闇口泥睡、これは財力の世界の人間としての質問だ」


状況についてこれていない人達はポカンとした表情を浮かべている。
とはいっても、同じく状況についてこれていないとはいえ、忍足と日吉だけはポーカーフェースを浮かべていたが。







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