中野腐男女学園物語

□その二
1ページ/4ページ

「ごめんね、ツナ君」
「気にしないで。俺もお使い頼まれてたし」


並盛駅の前で出くわした二人は、目的地が一部同じだった事もあり、黒曜町へと来ていた。


「えーっと、ここのお店だ」
「…………宙屋?」
「『そらや』って読むんだよ。ここって隕石を売ってるらしいんだ」
「へ、へぇ……。そんな情報は誰から?」
「獄寺君が光黄君に教えて、そこから私に」
「瀬口さんもこういうのが好きなんだ」
「かなでいいよ」


我慢が出来なかったのか、ツナの事を放って中へと入ってしまう。


「何で俺の回りには個性的な子しかいないんだろ」
「………ボス?」


色々と諦めてせぐうぇいの後を追って怪しいお店へ入ろうとした。
すると、ツナの呟きに答えるかの様に霧の守護者の片割れが声をかける。


「久しぶりだね、クローム。元気にしてた?」
「うん……。ボスは何で黒曜に?」
「買い物ついでに道案内を、ね」


そういって宙屋の中へと視線を向ける。
クロームも釣られて中を覗くと、唯一のお客と思わしきせぐうぇいが黄色い水晶玉の様な物を手に取っていた。


「………誰?」
「転入生の瀬口かなさん。クロームと仲良くなると思うよ。ただの感だけどね」
「…………そう」


用事が済んだらしいせぐうぇいが、小石の様な物を片手に店から出て来る。


「お待たせー………ってあれ? この子は?」
「彼女はクローム髑髏。俺達の友達だよ。あ、でも京子ちゃん達との方が仲良いよね」
「………………」


鞄を抱き抱えたまま、小さく頷く。


「始めまして、瀬口かなです。かなって呼んでね」
「そういえば、何を買ったの?」
「隕石のカケラだよ。ステルス効果があるんだって」
「へっ………へぇー……」


苦笑するツナを横目に、クロームが術師としてその隕石と呼ばれた小石を凝縮する。
それをせぐうぇいがどこか嬉しそうな表情で眺めているのにも気が付かず。


「この石気になる?」
「えっ…………」
「あげるよ。きっとに幸せを運んでくれる」
「…………いいの?」
「うん。元々霧の子にあげるつもりだったし」


にこりと笑いながらクロームにその石を渡す。


「君は………一体………」
「私? 私はしがない術師だよ、ボンゴレ]世」







.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ