中野腐男女学園物語

□その六
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キーンコーンカーンコーン―――――


授業終了と同時にお昼休みの開始を告げるチャイムが鳴り響いた。


「瀬口さん、話があるんだけどちょっといい?」
「うん。いいけど、何? 瀬斗君」
「昨日の事で、ちょっと」
「分かった。ツナ君達も?」


光黄は小さく首を縦に降る。
それを見たせぐうぇいは京子達に断りを入れ、光黄先導の元、屋上へと向かった。
屋上に着くと、早速獄寺がせぐうぇいに睨みを効かせる。


「瀬口さん、昨日の事なんだけど」
「瀬斗君からも聞いてるよ」


優しく笑っていた顔から表情が消えた。


「私は確かにロットファミリーの術師。でも霧の守護者ではない」
「このっ……ふざけやがって!」
「獄寺君は黙ってて」


ツナがドスの効いた声で獄寺を黙らせる。


「安心して、獄寺君。霧の守護者は別の任務が入ってるから事実上、私がトップよ」
「んな事言われて信用出来っかよ!」


ツナに注意されたにも関わらず、再び声を荒げた。
それを気にした様子もなく言葉を紡ぐ。


「出来ないでしょうね」
「それでも俺は信用する」


自らに備わっている超直感からか、ツナ自身の性格からか、はっきりと言い切った。


「へぇ、変なの。明日は雷よ。もし戦わないなんて言ったら京子達がどうなっても知らないから」
「…………分かった。きちんと連れて行く」


意味ありげに笑ったかと思えば、再び無表情を浮かべて屋上を去った。


「瀬口さん………」
「光黄君、多分瀬口さんはいい人だよ」
「せや。ちゃんと呼んだら来てくれたやろ?」
「ツナ君、蓮次先輩………。うん。そうだよね! 何か理由があるんだよね!」


転入生同士仲良かったから裏切られて凹んでいる、という演技をしている光黄は、空元気で答える振りをする。





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