捧げ物

□27272キリリク
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「ハァ、ハァ、」


倒しても倒してもキリがない。
言うても仕方ないのは分かっている。
何故ならこの戦いは、ノアとエクソシストによる、生き残りをかけた戦争なのだから。


「疾風 速て 颯 羽矢て! ゲホッ……。あー、水……」


消えた幸村を探して早一週間。
僅かな手懸かりを元に三人はとある村へと来ていた。
そこでAKUMAによる襲撃を受けてしまい、それぞれ個別で行動をせざるを得なくなっていた。


兎に角、今は水じゃの。
詩歌の使いすぎで喉がヤバイ。
ついでに頭も痛え……。
貧血か? これ。


ふらつく体に鞭を打ち、川を求めてさ迷った。
しかし、進めど進めど川は見つからない。
そんなタイミングでに、柳生からの通信が届いた。


『二人とも大丈夫ですか?』


柳生も詩歌を酷使したらしく、若干声がかすれている。


『なんとか無事ッス』
「俺もかの。ケホッ」
『本当に大丈夫なんスか?』
『恐らくただの使いすぎです。強力なの連発したでしょう』
「流石やの。ご名答じゃ」
『全く』
『取り合えず集まりませんか? 場所は……村の北にでっかい木がありましたよね? そこでどーッスか?』
「ん」
『分かりました。では後程』


完全に通信が切れたのを確認すると、辺りを見渡す。


「ケホッ」


それらしい木を見つけた仁王は、いつものようなにダルそうな態度でその場を離れた。





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