IFの世界〜偽りの真〜

□第三話
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放課後、部活を始める前に部員が一カ所へ集まっていた。


「最近この辺りは物騒なのは皆も知っていると思う。そこで帰宅する際は勿論、部活終了後に残る人も、なるべく二人以上でいて欲しい」


本当なら部活を中止にしてしまいたかった。
だが、関東大会が行われているのに練習が出来ないのは辛いものがある。
それ故に三強が話し合った結果、こうなったのだ。


「「「「イエッサー!」」」」


部員からの返事が返って来た所で、部活を開始させた。






―――――――



「ぶちょー、俺が帰って来るまで先帰るなよ!」
「分かってるから早く行ってきな?」


部活終了後、呼び出しを喰らっていた赤也は、幸村の言葉に手を振る事で応えて部室を後にした。


「幸村ん相手はわしがしちゃるナリ」
「きゃー、仁王君やっさしー」
「はっはっはー、もっと褒めんしゃい」


棒読みな会話を終わらせた幸村は、犬小屋にいたビークを部室へと連れ込み、呑気にじゃれあう。
仁王もビークの頭を撫でながらポツリと呟いた。


「野良犬の次は集団下校、か」
「そういえば、最近悩んでるんだっけ」
「ぴよ」


仁王の一言を肯定とみた幸村は続けざまに疑問を投げ掛ける。


「どんな犬なの?」
「分からん。声はするんじゃ。やけぇ、姿はからっきし」
「うっわ、それ一番厄介な奴じゃん」


頷く代わりに、ビークの頭を支えに立ち上がる。


「ちゃっちゃとどうにかしたいぜよ」


この話はそれで終わりらしく、違う話題へと移っていった。
赤也が戻って来た時には「目玉焼きに何をかけるか」の話をしてたとか。





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