IFの世界〜偽りの真〜

□第五話
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「ほうか、セイがそげな事を」


次の日、部活中に隙を見つけて赤也は幸村と話した事を相談していた。


「俺って馬鹿だから二人みたいに考えられねぇけど、多分シークの方が正しいと思うんだ」


二人で話し合った訳ではなく、昔の仲間の話をする時は自然ともう一つの名前を使っていた。


「俺らん中で一番高学歴の癖に何いっとう」
「読み書き出来ただけだろ。俺が教えたらあっという間に覚えた癖に」
「クックックッ」


仁王独特の、不思議な笑い声をあげる。
それに釣られた赤也も笑った。
ちらっとコートに目をやると、先程まで練習をしていた筈の真田と幸村の姿が消え、替わりに柳生が入っていた。


「んじゃ、ちと行ってくるナリ。カルはカルの勘を信じんしゃい」
「ちょ、先輩!」


けだるそうに手を振りながらコートに入っていった。
小さくため息を吐きながら自身もコートへと目をやると、柳がこっちに目配せしている。


「やっべ。俺も戻らねえと」


真田に怒鳴られる前に、小走りで柳の元へとダッシュで向った。



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