IFの世界のIFの話

□双子、再会
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『――――! ――――――――!!』


『いやじゃ! ひろとはなれとうない!』


『―――――?! ――――』


『ましゃ! ぜったい、ぜったいむかえにいくぜよ! おそくなるかもだけど、ぜったいじゃ!』


『―――――。―――――――――』


『いやじゃ! ひろとはずっといっしょなんじゃ! はなれとうないんじゃ!』


『ましゃ!』


『―――――――』


『ひろ!』









〜仁王視点〜





そこで俺の目は覚めた。


「なんちゅう、懐かしい夢をみとるんじゃろ………」


俺は昔、双子じゃった。――死別じゃのうて生き別れじゃから今も双子ナリ――
とりあえず今日から中学生。親の都合で南の方から神奈川に越してきて来たけど、母親が転勤族だから新しい場所にワクワクしてるとかは全然ない。
まあ、再婚だかをしたから此処には長い間住む事にはなるんじゃなか?


コンコン


「雅治、ご飯食べるでしょ?」
「ん。今日は食う」


聞くこと聞いたら出ていったのは新しい父親の娘、新しい姉ぜよ。
ゴソゴソとベッドからはい出ると真新しい制服に袖を通す。首には物ごころついた頃にはもう持っていた片割れとおそろいの指輪をぶら下げる。
この指輪だけが俺と片割れとをつなげる唯一の物。当時はでかくて入らなかったが、今なら指によってはぴったりじゃ。
髪の毛は……まあ、飯の後でいいじゃろ。そう思い俺は部屋を出た。

















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