梔子隊

□第一話
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それからしばらくの間、甲斐老人と幸村が雑談に華を咲かせていると表から轟音が響いてきた。


「な、何事じゃ?!」
「俺ちょっと見てきます」


そう言って表に出てみると人がクレーターの中に座り込んでいた。


「痛たたた……。なんとか到着したみてーだな」
「黒崎、そこをどいてくれないかな…?」
「あ、ワリい。石田」


そこには現代ファッションに身を包んだ男女と、奇抜な格好をした青年が二人、そして黒猫が一匹いた。


「えっと…?」


この人たちは他の人たちからは感じない何かを感じ、どうしようかと立ちすくんでいると黒い服にオレンジ色をした頭の青年が此方に気がついた。


「あ! お前、立海の生徒か?」
「……え? あ、う、うん。そうだよ」
「やっぱり、その制服は比呂士んとこのか」
「柳生の知り合いかい?」
「ああ。俺は黒崎一護、空座高校に通ってる。比呂士とは親父同士が知り合いでその関係で仲良くなったんだ」
「俺は幸村精市、立海大附属高校テニス部部長だよ。あ、今は元部長か……」


幸村は寂しそうな表情を浮かべる。


「あ、すまねえ。ってか、テニス部の部長って……」
「なになに? 黒崎君、お友達出来たの? 凄いね! あ、私井上織姫、よろしくね。えっと……」


そんな雰囲気を井上が空気を読まずにぶち壊した。


「幸村精市、だよ。井上さん」


そこにチャドも便乗する。


「佐渡、泰虎だ。チャドでいい」
「三人ともなに流暢に自己紹介してるんだ。ここは敵陣だといっても過言じゃないんだぞ!」


石田が正論を言って先に進んで行ってしまったが、それはすぐに阻まれる事になる。
なぜなら空から壁と門番とおもわしき巨人が降ってきて道を塞いでしまったからだ。




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