梔子隊
□第一話
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「旅禍はオダが排除する」
「なんだかしらねーが戦いなら受けて立つ!」
そうして黒崎は門番と勝負し、勝利を収めて門を開けて貰うがある意味仁王の様な人の手によって門番の腕を切り落とす事で扉を再び締めてしまった。
「バイバーイ」
最後にそう言い残して。
「アイツ……」
今まで戦場にいた者としての感覚で幸村は感じ取っていた。
彼は危険な存在である、と。
「馬鹿者! お主がやられたらどうするつもりだったんじゃ!」
「…悪い、夜一さん」
夜一と呼ばれた黒猫が喋った瞬間、幸村は無意識に警戒した。
いないとは分かっていても彼から見た喋る猫は『色』のノアを連想してしまうのだ。
「ほう、そこの小僧は儂が喋っても驚かんか。なかなかやりおるのう。それに……」
「どうしたの? 夜一さん」
井上が不思議そうに夜一さんに聞いた。
「いや、なんでもない。お主はやるべき事はあるか?」
「ない………けど?」
「そうか………じゃったら儂らと来い。お前に紹介したい者がおる」
暫く考えて答えを出した。
「(黒崎君と同じ感じがする……)いいよ。信用はしないけど、信頼はしてあげる」
「ふっ、気に入った」
「精市? 何かあったのかい?」
心配そうに甲斐老人がやって来た。
「おじいさん! あ、ゴメン。心配かけてしまって」
「どうやら、友人が出来た様じゃな」
「はい。あの、さっきの話なんですがやっぱり」
気にしないでいい。と言ってくれた上に、ついさっき知り合ったばかりの人を泊めてくれることになった。
その晩、イノシシに乗った人間が乱入してきた。
幸村がとっさに殺意をイノシシにぶつけるとイノシシは慌てふためき飼い主に激突した。
だがよくあるようで黒崎に返りうちに合い、逃げるように返って行った。
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