梔子隊
□第二話
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黒崎達は黒崎達で何かやる事があるらしく、丸井たちと別の部屋にいる。
そして、丸井達は向い合せに座っている
「……」
「……」
「…………」
「…………」
だが、どちらも口を開かずに重たい沈黙が流れている。
「……ブン太は」
そんな中幸村が口を開いた。
「ブン太は、死神なの?」
「……おう」
「いつから尸魂界に?」
「…120年位前から」
「なーんだ。俺より若いじゃん」
事前にドッキリを知っていたような口調でそう言う。
「はあ?!」
予想外の発言に丸井は驚いた。
「だって俺、こう見えても150年位前……だったかな? にはこの姿になってたし。」
「え……だっ……え?!」
驚きすぎて言葉になっていない。
「俺ね、『ノアの一族』っていう人外の力を持った一族の一人だったんだ。その力のせいで年がとれなくってね」
「そんな一族、聞いた事ないぜぃ?」
怪しそうに幸村に問う。
「だって、こことは違う世界の話だもん」
「は?」
そういうと簡単に自分の正体について説明した。
「俺は元々この世界の住人じゃないんだ。俺の仲間の力でこの世界に逃げてきて、一緒に来てくれた仲間のお陰で助かった。その証拠に俺は寿命を迎える事が出来た。カルロはきっと泣いてしまっただろうね……」
「それで、世界から幸村君に関わる記憶が消えた、と」
「………」
不思議そうな顔で丸井の事を見る幸村
「なんだよぃ」
「いや、すんなり受け入れるんだなーって思って」
「こう見えても14番隊の技術開発局局長だぜぃ? それ位簡単に受け入れれるってーの」
けらけら笑いながらそう言った。
そこで幸村が質問をぶつける。
「14番隊ってなんだい?」
ああ、と一つ声を漏らして説明を始める。
「死神は例外はあれど、護艇13隊に所属してなきゃいけなくって、隊の数は全部で13。俺達14番隊はあるはずのない秘密の隊。誰も知らないから喋れないって意味で俺達隊員は『梔子』って隠語を使う事もあるんだぜぃ」
「そんな事、俺に言っていいの?」
「ああ。幸村君なら俺達の新しい仲間になれそうだから喋ったんだぜぃ?」
「それって……」
幸村の途中で消えた発言を丸井が引き継ぐ
「死神にならないか? 幸村君」
「…………」
しばらく考えた後、
「いいよ。護るための戦い方って一回やりたかったんだ」
テニスの試合をOKするような軽さで答えを出した。
「おし、決定。んじゃ行こうぜぃ」
そう言って丸井は立ち上がる。
「行くって、どこに?」
つられて幸村も立ち上がる
「俺の仲間の所」
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