梔子隊

□第二話
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ここまでお世話になった黒崎一行に別れを告げてやって来たのは少々特殊な場所にある14番隊の隊舎である。


「此処が俺達の隊舎。そんで幸村君の新しい家だぜぃ」
「家?」
「おう。基本的に俺達は此処か現世で生活してるからな」


扉を開き、息を吸うと


「14番隊第6席、丸井ブン太。只今帰りました!」


大声と共に吐き出した。


「お帰り、ブン太。なんか収か……………え?」
「あ、お邪魔するね。君は確か……不二裕太君だよね。青学にお兄さんがいる」


帰ってきた丸井を迎えたのは聖ルドルフに籍を置く、不二裕太だった。


「な、な、な、なんで幸村さんがここに!?」


丸井よりも接点が無いせいか、記憶の混乱はさして起こらず、死んでいるという一点だけに驚いた。


「それも含めて説明したいんだけど、他には誰がいる?」


丸井の質問に若干吃りながら裕太は答えた。


「え、えっと………兄貴とジロ兄と十兄と後は確か、十一番隊に行ってる裕次郎ぐらいだったと思うよ」
「思ったより少ないな……」


丸井は裕太に今いる人を全員集める様に指示を出すと、客間へと幸村を案内した。
暫く待っていると、数人の足音が聞こえて来て、部屋の近くまでくるとピタリと止まった。


「お、来た様だな。待ってたぜぃ」


扉を開けて入って来たのは


「裕太の言う通りだC! なんでなんで!?」


氷帝の芥川慈郎


「此処にいるって事は、少なくとも死んでる上にブン太が認めただけの霊圧があるみたいだね」


青学の不二周助


「それに、霊圧以外の気配もするのが気になるな……」


山吹の室町十次の三人だった。


「お邪魔してるよ。君たちも死神だったんだね」
「僕たちが死神だって事に意外と驚かないんだね」
「まあね、俺は俺で色々あったから」
「ブン太、その色々も説明してくれるんだよね?」
「おう。あとは裕次郎だけだな……」


ドタドタドタ――


騒がしい足音が聞こえてきたと思ったら勢いよく扉が開かれた。


「仲間が増えるってホンマか?!」
「謙也うっさいさー、少しは静かにするさー」


どこからか聞きつけた四天宝寺の忍足謙也と祐太に呼ばれた比嘉の甲斐裕次郎が入ってくる。
少し遅れて祐太も入ってきてとりあえず一通りメンバーがそろった。






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