梔子隊
□第三話
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次の日、朝ご飯を食べ、訓練所に行くとそこには不動峰の伊武深司がいた。
「君は………確か、橘の所の」
「そう、不動峰の伊武深司。俺は剣道を教えるから。あ、剣道っていうより、刀での戦い方かな……?」
そう言って、用意しておいた木刀を渡す。
「………細身の両手剣?」
「木刀、知らないの?」
「いや、木刀は知ってるけど、俺がイメージしてた剣とは形が違くて」
「ふぅん。とりあえず、実戦してみる?」
「そうだね」
かつん――かっ、かっ、――かつん――
伊武は正統派の剣道で手合わせするが、幸村の刀裁きが日本刀のそれではなかったので、思いの外苦戦することに。
「うーん、久しぶりだから腕が鈍ってるな……(赤也の相手しとけば良かった)」
「新入りの癖に闘い慣れててムカつく。ぶったおそ」
伊武が小手を決めようとすると、刀から片手を離し、回避する。
そして、幸村が下段から切り上げると伊武は後ろに飛んだ。
暫く繰り返していると、下段から跳ね上げた伊武の木刀が幸村の物を弾き飛ばす。
「しまっ………」
そして、そのまま首元に木刀を突き付ける。
「鈍ってて、こんなもんか。ふうん。ならひたすら実戦あるのみだね。これなら俺も認めてもいいよ」
「ありがとう」
幸村が飛ばされた木刀を拾い、第二戦を開始させた。
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