梔子隊

□第六話
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四天宝寺・屋上にて


「謙也さん、いきなり呼び出して何なんっすか?」
「おん、ちょっとコイツが飛んできてな」


そう言って指に止まっている地獄蝶を見せる。


「誰から?」


テニス仲間には見せた事のない鋭い視線を謙也に向ける。


「雅也からや。簡単に言うと『立海に死神の力に酷似した力を持つ人間がいる』やから『立海の人員増強をした方がええ』ちゅう話やと」
「立海って確か、精市さんが行きませんでした? 雅也は知らんかったのかな……」


思っていたより大した事もなく、いつもの目つきに戻る。


「精市で思ったんやけど、周りの人間の記憶はどうしたんやろ」
「確か、精市さんが『元々存在しとらんかった』事になっとるんやったけ?」
「せや」
「ま、ブン太さんがおるから何とかするやろ」
「……そう言われればそうやな!」
「俺、クラスの奴と約束あるんで失礼します」


そういうと財前は屋上を出て行った。


「光の奴も、随分丸くなったなぁ。白石達に言わせると十分尖がっとるんやろうけど」


そこにもう一匹地獄蝶が飛んでくる


「……了解や」




――――

六角・テニスコートにて


「亮、今平気?」
「何? サエ」


コートではシングルの練習をしている。


「昨日、周助から連絡きたんだけど、知ってる?」
「まじで? 俺ん所には来てないよ」


二人はフェンスの外からその様子を見ながら雑談に華を咲かせている様に見えた。


「……もしかして、メンバーが増える事について?」


そういえば、と先日開かれた会議を思い出し、佐伯に聞いた。


「そっちじゃないんだけどな……ま、そっちはどうしたの?」
「勿論、OKだよ。皆もOKだって。んで、周助はなんて?」
「簡単に言うと『虚を倒せる人間が立海にいる』そうだよ。しかも滅却師じゃなくって死神に近いんだと」
「死神の力を持った人間、ねえ……」


二人の元に樹がやってきた


「サエ、次サエの番なのねー」
「サンキューいっちゃん」
「あ、いっちゃんお疲れさまー」
「あれ? 黒い蝶なのねー」
「ほんとーだね」


その黒い蝶の正体は地獄蝶で、とある一つの伝言を伝える為に亮の元まで飛んできたのだ。
亮が地獄蝶を指に止めて伝言を聞くと


「………へえ」


その呟きを合図に何処かへと飛んで行ってしまった。






――――――



氷帝・コートにて

コートではレギュラー陣が練習をしていた。


「ジロー、次はお前の番……って、またいねーし」
「俺が探してくるわ」
「悪い、忍足」
「かまへんって」


そう言ってジローを探すふりをして、地獄蝶伝いの報告を聞いていた。


「こないだジローがゆうとった精市の仲間の事か?」
「ただいまー、侑士」


独り言の様に、いや、実際独り言だったのだが、それに割り込むかのように死覇装姿の芥川が忍足に声をかけた。


「お疲れさん。おもっとったより遅かったな」
「破面もいたC−。戦闘は侑士の担当でしょー」
「行くゆうたん自分やん。それよか、次ジローの番やで? それと、地獄蝶からの伝言もあるで」
「なにー?」


そして儀殻に入りながら伝言を聞き、二人は練習へと戻って行った。






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