梔子隊

□第六話
2ページ/5ページ

立海・教室にて


日直の仕事としてゴミ捨てに行った仁王を待つ幸村と丸井


「とりあえず、部活はどうする?」
「勿論出るよ」
「そんな事したら俺達みたいに記憶が戻る奴がいるんじゃねーの?」
「うーん、部員はまだしもレギュラー陣は違和感を感じるかもしれないな……そうだ!」


ガラ――


「なんじゃ、お前さんら先にいっとらんかったのか」


そこに、仁王が戻ってきた。


「ねえ、仁王」
「なんじゃ」
「皆に俺の事思い出させてよ」


唐突にそんなことを言い出した。


「はあ?! 記憶の入れ替えとは訳が違うんだぜぃ?!」
「あー、なら柳生も呼ばんとな…」


その発言に驚いたのは丸井だけであった。
仁王は早口で通話の詩歌を紡ぐ。


『仁王君、今度は何ですか? 急用がなければ携帯にしてくださいと言ったでしょ』
「うお! 何これ、天艇空羅?」
「違うよ、ブン太。これは鬼道ではないからね」
『……丸井君と幸村君にも繋いだのですか』


声だけ聞くと呆れた、といった様子だった。


「何これ、会話もできんの?」
「んで、幸村を転校生から在校生に戻すからちと来てくれりゃんせ」
『はぁ、それこそ携帯で済む話でしょう』
「電話じゃと赤也に掛けないといけんからこっちじゃ。という訳で赤也、幸村がコートに近づいた瞬間から部長は幸村ぜよ」
『……ちょっと、今話しかけないで下さい。英単語が頭からこぼれる………』
「…………ぷっ」
「精市……」
『幸村君……』


丸井に対しての説明がないまま、教室に柳生が来る事になった。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ