梔子隊

□第十話
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D2を難無く奪い、D1の試合が始まった。


「ぶっちょー! 俺達の試合どうだったー?」
「もうちょっと真田と息を合わせた方がいいね」


斬魂刀の影響で今日は視覚が完全に奪われてる事を知らない赤也は無邪気に幸村に感想を求めた。


「ほれ、赤也。大人しく試合見ときんしゃい」


そこに仁王がやって来て赤也を引きはがす。


「幸村、ちと厠に行ってくるナリ」
「真田に怒られる前に戻って来なよ」


それを聞くと校舎内へと入って行った。
トイレを探しながら歩いていると聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「なんでこんなに現世に来てるんだよ」
「家に帰ったら教えると言ってるではないか」
「………一護?」
「あ? って、え!? 雅治さん!? なんでここに?」


オレンジ頭の少年黒崎一護と、死神朽木ルキアの二人だ。


「試合しにきたナリ。そういやぁ、空座高っておまんの学校じゃったな」
「一護、この者は?」


二人の関係が見えないルキアは眉間にシワを寄せながら一護に尋ねる。


「ああ。この人は仁王雅治、俺の幼なじみの親友だ」
「仁王雅治ぜよ。今日はテニスの試合をしにきたナリ」

「私は朽木ルキアだ。宜しく頼む。ところで今、テニスと言ったな?」


二人が握手を交わすとルキアは仁王に質問をする。


「ああ」
「それって我々が見ることは出来るか?」
「もちろん。今だって野次馬が凄いぜよ」


わざとらしく溜息をつく。


「一護! コートまで案内しろ」
「俺に対する説明は?」
「それは後だ。ほら、早く」


ルキアは目を輝かせながら一護を引っ張ってコートへと向かった。
仁王は面白い事になりそうだ、と一人ほくそ笑んだ事は誰も気がつかない。





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