梔子隊
□第十一話
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「ルーキアー、夕飯の時間だぞー」
黒崎家で居候しているルキアが夕飯の時間になっても帰って来ないのを心配して家族総出で探していた。
「おーい。ルキアー? たっく、何処に行ったんだよ」
道すがら、幽霊や出くわしたクラスメイトにルキアの事を聞くもめぼしい情報を得られなかった。
ふと、何者かの気配を感じて後ろを振り向く。
するとそこには死神の姿をしたルキアがぽつり立っていた。
「なんだ、そこにいたのか。おら、家族の連中も心配してっぞ」
「……………」
「ルキア?」
いつもと様子の違うルキアに疑問を持っている。
だが、大した事なさそうに肩に手をかけた。
「さっさと義骸に入れよ。家に帰るぞ」
「………黒崎一護」
「あ? なんだよ、今更フルネームで」
「奪え、無月」
いつの間にかそばにいた劉陶弥が一護に術をかける。
「行くぞ」
その身を翻して立ち去った。
ルキアは一度膝を地面につけ、一護は何か言いたそうな表情を一瞬浮かべ、劉陶弥の後を追った。
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