梔子隊

□第十三話
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丸井と越前が幸村の元に辿り着くと、二人は血を交えて刀を振るっていた。


「はっ!」
「くっ……」


劉陶弥の攻撃が顔面の代わりに仮面を抉る。


「精市!」
「って事は結界張り終えたんだね」


そしてそのまま器用に相手の斬魄刀を利用して仮面を外ずした。


「ちっ、増援か。ならば此方も『操れ、無月』」
「精市!」


リョーマがやばいと感じて幸村の名前を呼ぶが、何の変化もなく再び両者は刀を交える。


「え……? って事は断限輪を使ったって事?」
「いや、腕にきちんと付いてるぜぃ」


嫌な予感が頭をよぎるが、今は目の前の敵に集中すべく、タイミングを見計らって劉陶弥に飛びかかった。
その頃沖縄では………


「甲斐君、平古場君。もっと真面目にやりなさい」
「へいへい」
「わーっとるやさー。だからゴーヤーだけは勘べ………?!」


不吉な気配を感じて思わず振り返る。


「どうかしましたか? 知念君」


木手に声をかけられるも無言のまま立ちすくむ知念。
すると、知念は木手の首に手を伸ばしてきた。
木手は縮地法を使ってかわす。


「これって劉陶弥の野郎の…………!!」



同時刻:大阪――



「銀! なにすん!」


四天宝寺のテニスコートで銀が霊圧で出来た弓を放つ。


「金ちゃんもやめい!」


天然の身体能力を発揮して財前を追い詰める。


「………謙也さん、偽骸脱いでいいですか?」
「まだアカン。白石達がおる」
「せやけど、滅却師がおるんやで!」
「それでもアカン」


白石を含め、レギュラー陣が不思議そうに見ている。


「ちっ、部長らさっさと他所行きい!」


そう叫びながら睨みつける。
今までレギュラー陣に見せた事の無い程鋭く、その視線だけで人を射ぬけそうな程、鋭利な殺気を孕ませて。


実は沖縄や大阪以外でも同じ現象が起きていた。
劉陶弥に操られている一部テニス部員が仲間である筈の死神を襲うという現象が。




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