IFの世界 〜梔子隊編〜

□第八話
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『仁王マサハル・財前ヒカル・木更津リョウ・桜井マサヤは大至急鍛練場に』
「ようやっとか」


各々好きな事をやっていると、コムイから呼び出しの放送が入った。
仁王だけがその理由を理解し、重い腰を上げる。


「おまんらのお仲間が到着するようナリ。いくっちゃよ」
「仲間?」
「聞いてへんのやけど」
「言ってないかんの」


財前が仁王を睨みつけながらも、一行は放送の指示に従い場所を移す。
鍛練場に着くと、空間の一部が歪んでいた。
見慣れた黒い服を着た人間が二人と、立海の制服を着た柳生がその歪みから姿を現す。
すると、仁王が飛ぶかの様な勢いで柳生の元まで駆け寄った。


「ヒロ、大丈夫か?」
「なん………とか」
「部屋で休んどきんしゃい。連れてっちゃる」
「ありがと、マサ」


柳生をおぶさって部屋へと連れていった。
その横では再会を喜んでいる二人がいた。


「えっと、久しぶり………になるんだっけ? 光」
「十次!? 何で、十次がおるん?」
「医療班代表でね。あ、そうだ。これ」


そう言って、謙也から預かっていた伝令信機を渡す。


「あー、有り難いわー。これがないとどーも調子狂ってかなわへん」
「そういえば、謙也兄さんとリョーマが何かしたらしいよ」
「リョーマは………エエ訳やないけど、一先ず置いといて。謙也さんは殺す」


そういうと伝令信機の中身を確認する。
伝令信機が壊れそうな勢いでボタンを押しながら。
リョーマのかけた魔法の正体は盗み撮りされたと思われる、謙也のマヌケ写真の数々だった。


「訂正、リョーマは許す。ふっ、これでまた謙也さんイジメのネタが手に入った」


楽しそうに怪しい笑みを浮かべた財前に苦笑一つで答える。


「なんや、これ。イグアナばっかやん」


リョーマの画像から謙也の画像に移った瞬間、文句と同時にイグアナの画像を消しだした。
ちゃっかり一枚残して。


「最後のは俺から」
「………謙也さんのアホ面かいな」


少し悩み、削除する事無くポケットにしまった。


「話は済んだかい? 青少年」
「取り敢えずは」
「待たせた。取り敢えず食堂に移るぜよ。状況確認がしたい」


教団に顔見せも兼ねて、一度移動することになった。








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