中野腐男女学園物語

□その七
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一方、ツナは目の前の光景にアタフタしていた。


「落ち着け、ダメツナ」


それに見かねたリボーンが跳び蹴りをかます。


「いで! だって、あの相手の子も蓮次さんも素手だよ!?」
「蓮次は素手で戦った方が強いんだ。見た所、相手はレスラーの動きをしている」


ツナに目を向ける事無く浦正は答えた。


「それって、つまり………」
「二人とも武器を持たない方が強いって事ッスか?」
「ああ」


痺れを切らしたうらぁが匣を開口する。
中からはせぐうぇいのと違って、屈強な羆が顕れた。


「トーア、頼む」


トーアと呼ばれた羆の匣アニマルが低く唸ると、辺りに生えていた草木が二人のいる空間を四角く切り取った。


「お前の得意なプロレスか」
「金網デスマッチ、とまではいかないけどね」


蔓や草木をロープ代わりに次々と技を決めてゆく。
鍛えているとはいえ、プロレス技には対抗するに出来なかった。


「これで終わりだ!」
「……かかったな」


スイングDDCを使おうとしたうらぁだったが、逆に投げ飛ばされ、誰もが知っている絞め技をかけられた。


「1」


誰にも気が付かれる事なく、浦正がカウントを呟く。


「2」


それに合わせるかのようにまりるもカウントをとる


「「3」」


一呼吸置いて、高らかに曜介が宣言した。


「勝負有り! 勝者、流原蓮次!」


その宣言を聞いた蓮次は大人しく、うらぁから離れた。


「次は負けないからな!」
「性別入れ替えてから出直せ」


ツナ達の元に戻ると、何故勝てたのか不思議そうにしながらも、勝利を祝福した。







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