IFの世界〜偽りの真〜

□第七話
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三人がコントの様な盛り上がりを見せていると、ドアが開かない事を確認した誰かが、部室のドアを不規則なリズムで叩いた。


「野良犬と野良猫」
『カルロとセイ』


幸村が扉の向こうの人に声をかけると、向こうからも声がした。
続けて赤也も声をかける。

「二つの指輪」
『反則を犯した二つの果実』


更に柳生も続いて声をかける。


「この詩の意味は皆無」
『この地の意味は皆有』


そこで漸く幸村は部室の扉を開いた。


「三人もおるなんて聞いて無いんじゃが」
「ふふっ、二人を驚かしたくってね」


そういって招いた相手は柳生の予想通りで予想外な、シーカーであり仁王であった。
仁王は紳士のかけらも無い柳生を見て、


「あー、やっぱしか」


と呟いた。
一方の柳生も、仁王と同じ言葉を呟いている。


「あれ? ばれてた?」
「「立海生で一番波長が合うからな」」


もう双子ではない筈なのに台詞をハモらせた。
二人の言い分はあながち間違いではないらしい。


「おー、流石双子」
「今は違うわ」
「仁王君と双子だなんて気持ち悪くて吐き気がする」
「俺も同感じゃ」


ものの見事に同族嫌悪を発揮した二人は、指定された訳でも無いのに並んで腰掛ける。
そして手持ち無沙汰に仁王が柳生の眼鏡で遊びだした。






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