IFの世界のIFの話

□幸村誕生日記念
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そんなセイを不思議そうに見ながら、何を思ったのかその死神は意外な事を口にした。


「俺ぁ、越前南次郎て言うんだ。見た所普通の人間じゃねえよな。行く所がなかったら俺んちこねえか?」
「……ただの化け物だよ」
「俺にとっての化け物ってのは人とは違うって意味しか持たねえ。人が他人と違うのは当たり前だ」


自分と似た気配がする南次郎を信用する事にしたセイは南次郎に手を差し出す。


「君は普通の人間とは違うみたいだね。俺はセイ・ヴァルディア。よろしく、ナンジロー」


南次郎はその手を握り返す。


「ハイカラな名前だねぇ。日本の外の人?」
「ハイ……? にほ?」


不思議そうな表情で首をひねる。


「俺はこの世界に来たばかりで良く分からないんだ」
「世界とはこれまたでかい規模で来たな」


かかっ、と豪快に笑うと手を離して、ついてくるように言った。
移動しながらこの国やこの世界の事を南次郎は色々教えてくれた。
不思議がらずに教えてくれた理由も


「死神ってのは、人間にとって常識外れな存在だしよ。それに、科学者として異世界は一種のロマンなんだよ」


との事らしい。
南次郎の家は寺の敷地内にある一軒家で、妻と息子は『あめりか』という国に仕事しに行っているそうだ。
その為、自立出来るまで色々と生活の面倒を見てくれる事となった。






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