IFの世界のIFの話

□僕らはこんなに大きくなりました
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「せや! 光、草鹿副隊長と二人で散歩でもしてきぃ」
「せやけど、仕事まだ残っとるし、テニスの練習もせな……」


予想していなかった展開に、やちるは驚き謙也を見遣った。


「やったら命令や。『今から12時間、護衛任務を第一優先任務とする。他の任務があった場合、それらを放棄する事』」
「はあ!? そないな事で命令出すとか、阿保ちゃいます!?」


謙也の出した命令は、簡単に言い直すと『やちるを四天宝寺に連れてってテニスを見せてやれ』と言うもの。
素直に人の言う事を聞かないという事を十二分に分かっている謙也が、命令という形で光に遊ぶ許可をだしたのだった。


「嫌ならエエで? 太一と周介に話が行くだけやし」
「面倒な事すんなや」
「光が素直に草鹿副隊長を連れてけばええっちゅう話や」


光は万が一他の梔子隊員にやちるとの事がばれたらを考え、深いため息をついた。


「ひー君、ため息をつくと幸せが逃げるって花ちゃん(※卯乃花隊長の事)が言ってたよ」
「なあ、やちる。ちょっと現世に遊びにいかへん?」

色々と諦めた光がやちるにそう尋ねると、花が飛んでいそうな程の笑顔を浮かべた。


「いいよ。ちょっと休暇貰ってくるね!」


楽しそうなやちるを見送った後、満足そうな謙也を睨みつけてから、義骸とラケットバックを取りに戻った。






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