Kokoro is not world

□No:1
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「オイ、聞いたか?正規ギルドをまた潰したらしいぜ、頭が」

「マジでーー!?正規ギルドも弱ぇな!!」

「つか、あいつ等マジで威張っててよぉ、本当にウゼェよなぁーーーっ!!」

「ギャハハハッ!確かにそうだよなぁただの雑魚集団だよな、あいつ等」


……五月蝿い。
私は今日、何度目かのため息をついた
今日だけで既に何回ため息をついたのか、そんなことを数えるのも馬鹿らしくなるくらいのため息をついた

別に誰が正規ギルドを潰そうが、知った事じゃないか………
どうせそうやっておだてて、気にいってもらおうとしているだけじゃない

うわべでは褒めてるけど、どうせ心の中ではどうせロクな風に思ってなんかいない

あわよくば気にいられて、一緒に仕事に行って報酬を貰おう、ていう腹黒い計画を練っているに違い無い
というか、そういう魂胆が丸見えだ

皆の顔や声や行動の全てがそういう風に見えて仕方がない
…いや、実際の所はそうなのだが


ホント、此処は嫌な場所だ…
人の欲が溢れ返っていて…人間の腐った性根の悪臭がする



「おう、ルナ一緒に仕事に行かねぇか?」

「あっ…ごめんなさい…私、もう仕事決まってるの…」

「ッチ......使えねぇ…」


その人は舌打ちして他の人の所ヘ行ってしまった
果たして今の態度は、人に物を頼んで断られた時の反応として正しいものなのだろうか?

まぁでもこいつ等と仕事なんか行く気はサラサラ無い
だから断った

……本当に此処は嫌な場所
私は先程思った台詞をもう一度繰り返す

此処にいる奴ら全員、自分自身の利益だけの為だけに他人を平気で利用する、卑劣で最低の集団だ
こんな虚しい感情しか感じる事しかできなくなってしまった、そんなココロなんて私には不必要だ

人に対する価値観が、総て醜く思えてくる
だから要らない


こんなにも虚しくてーー…
こんなにもちっぽけでーー…

そんなココロなんて持って生まれて来なければ良かった
こんなもの、持って生まれる必要性が何処にあるというのだろうか?


自分に、他人に、嘘ばかりついている人生に呆れて…


だからこそ、いっそのこと死んでしまいたい



そう、思ってしまった
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