Kokoro is not world
□No:3
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「…っ!何なの…これ…!」
辺りは紅く、紅く染まっていた
そして、
数多の人々の悲鳴の連鎖
何者かに怯え、逃げまとう人々
「…何が、起きているの…?」
そう呟いた刹那
ゴウッという凄まじい音がなった
「っ!」
それと同時に紅い何かが私の正面に飛んでこようとしていた
(やばい……!)
気持ちではそうわかっているくせに肝心の身体が、動かなかった
ーー私ハ、何二対シテ怯エテイルノ?
得体の知れない何者かに? 否
死ぬ、という事に対してだ
なんで…? なんで…こんなに身体がふるえるの…?
死ぬ事なんか、怖くないのに
だって…だって、自ら望んで死んだのに…!
何を今更!
「…っ!」
怖くない…
大丈夫…自分から望んだ事だから…
逃げる資格なんて、無いんだ
「ーー危ない!ーーにーーだ!」
誰かが、私に向かって叫んでいる
もう、さよならだ…
紅い何かが眼前に広がってーー
「……あれ……?」
痛みが、こなかった
何で、と思った瞬間
ドサリと何者かが私の隣で倒れた
「……う……そ……」
それは、男の人だった
ぽたぽたと、赤い雫が身体から滴り落ちて水たまりをつくっていた
「嫌……っ……なん……で……!」
「……ルナが……無事で………よか…った…」
うっすらと目を開けて、切れ切れにそう言うと電池が切れたかの様に、動かなくなってしまった
「っ……嫌……嫌……っ!嫌ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
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