短編小説

□テストの恐怖
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「この間のテスト返すぞー」
里「うー…怖い…見たくないよぉ…」


今日はテスト返却の日。
できた気がしない…
受け取りたくないっ!
うわ、次私!?


「五十嵐、おしかったな」
里「…ああああー!!!こんなミスするとか…もぉやだぁ…」
修「どうした?」
里「ここ…つなげ字で書いててバツになってるー…うわ、ここもだ!」
修「もっとゆっくり書いたほうがいいぞ。焦ってもいい事はない」


もー最悪だぁ…
もったいなすぎるよ…
焦りすぎなのかなぁ?
修ちゃんどうなんだろ


里「修ちゃんはどうだったの?」
修「い、いや、俺は別に…」
里「それっ!…うわ、100点!すごいなぁ…頭もいいなんてうらやましい…」
修「そんなことはない。里佳だって頭いいだろ?ただせっかちなだけだ。落ち着いてやれば100点とれるさ」
里「うー…くやしいー!」
修「次がんばれよ、な?」
里「勉強とかしないもん…100点なんてとれないよ」
修「なら一緒にやるか?俺もそんなにやってないが…」
里「一緒ならがんばれるかも!」
修「なら部活のあとに少しやるか」
里「うん!次のテストっていつだっけ?」
修「来週だな」
里「一週間かぁ…よし、がんばる!」


思いがけない
修ちゃんとの勉強会
二人っきりで勉強か…
なんかマンガみたい!
来週のテストは
100点とってやる!

なんだか部活も
がんばれそうだな
さくっと終わらせて
勉強会だー!


円「なんだか五十嵐楽しそうだな!」
里「へへっ!なんか今日いい感じ!」
円「っていってももう終わりだけどな!」
里「え、もうそんな時間!?」


時計を見ると6時だ
時間が経つの早いなぁ
楽しいからかな?
ささっと着替えて
準備をして
私の家で勉強会!


里「おまたせ!」
修「ああ、じゃあいくか」


帰り道は部活とか
勉強の話をしたりで
いつになく充実してて
勉強も悪くないかも?


修「お邪魔します」
里「あはは、どうせ誰もいないよ?」
修「礼儀だからな、一応な」
里「えらいなぁ…よし、それじゃ勉強会だー!」
修「楽しそうだな」
里「なんかうきうきしちゃって!」
修「だからといって手は抜かないからな?とりあえずこれからやるか」


漢字の本を取り出して
どうやらこれを
一からやれと…


里「まぁでも一週間あるもんね!とりあえずは漢字のクセ直さなきゃ」
修「その意気だ。ここはこうだ」
里「うー…書きにくい…」
修「でも直さないと100点とれないぞ」
里「うん、がんばる!」


それから1時間ぐらい
漢字を書いては
訂正ばかり
勉強っていうのかな…


里「勉強っていうより、私の書いた字を書き直してるだけだね…」
修「それが重要なんだ。やっておいたほうがいい」
里「せっかく修ちゃんきてくれてるのに…」
修「かまわない。一緒にいれるとうれしいからな」
里「でも部活で疲れてるでしょ?」
修「気にするな。まあ今日はこのへんにして、明日またやろう」
里「うん!」
修「じゃあ、帰るな」
里「ありがと!また明日ね!」
修「ああ、おやすみ」


玄関先まで見送って
部屋に戻って
少し勉強してみた
でもなかなか進まなくて
すぐにやめちゃった…
二人でやるって
すごいんだなぁ

そんなこんなで一週間
書き方講座?を受けて
いよいよテストの日だ


里「あー緊張する…」
修「落ち着いてやれば大丈夫だ。がんばろうな」
里「うん!」
「よーしそれじゃはじめ!」


カリカリ…カリカリ…
周りのペンを動かす音が
私の手を思わず早める
ゆっくり、ゆっくり…
修ちゃんとの勉強会を
無駄にしないように
自分に言い聞かせた


「終了ー。回収するぞー」
里「あーおわったぁ!」
修「どうだった?」
里「多分大丈夫だとは思う…前よりは落ち着いてできたよ!」
修「そうか、ならよかった。返却が楽しみだな」


それから二日後…
テスト返却だ
勉強会の成果でたかな?
ドキドキするなぁ…


「テスト返すぞー」
里「…やったぁ!!100点だよ修ちゃんっ!」
修「おめでとう里佳、よかったな」
里「修ちゃんのおかげだよー!ありがとうっ!」
修「り、里佳!?ここ教室だぞ//」


思わず抱きついてしまった
教室なのに恥ずかしい…


里「ご、ごめんっ!」
鬼「見せ付けてくれるなまったく」
炎「いーなーいーなー!アツヤー士郎ーっ」
ア「ちょ、なにすんだ!」
士「もー、落ち着きなよ」


まあでもテスト100点
とれたしよかった!
また今度勉強会
してもらおうかなー


修「里佳」
里「ん?」
修「…またあとでな?」
里「―っ!?//」


物事を理解した私は
赤面して座り込んだ…


-end-
 

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