修ちゃんと噂の彼女

□心の隙
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私はあれからリハビリに励んでいた。
医者も驚く回復力らしく
少しボールを蹴れる程度に回復していた。
このままいけば半年近くで治る可能性があるらしい
その話を聞いて治すことだけを考えて
一生懸命リハビリを続けていた。

そんな中、FFI決勝が行われた。
もちろんリハビリしてる場合じゃないから
しっかりと試合を応援してた。

最初は世宇子の猛攻で押されてたけど
雷門がなんとか世宇子に勝って優勝!
ほんと、みんなすごいよ!
ピッチに立てない悔しさもあったけど
それ以上にみんなの笑顔がうれしかった。

決勝戦がおわったあとに
インタビューとか写真撮影があって
みんなすごい勢いでマスコミに囲まれちゃった!
なんか不思議な感じだったなー
最初は人数もいない弱小サッカー部だったのに
今じゃ全国一のサッカー部だもんなぁ

そんな光景を微笑ましく見守っていると
ようやくマスコミから解放されたようで。
修ちゃんは夕香ちゃんに報告にいくらしく
一緒についていくことにした。

修「夕香…俺、勝ったよ」
里「ほんと、すごかったよ!夕香ちゃん見てたら、きっと喜んだろうな…」
修「ああ、そうだな…」

修ちゃんが花瓶に花を入れようとしたときだった
夕香ちゃんの目が…動いた気がしたんだけど…

夕「お兄ちゃん…?」

昏睡状態のはずの夕香ちゃんが言葉を発した。
それを聞いた修ちゃんは言葉を失い
じっと夕香ちゃんを見つめていた

夕「お兄ちゃん…」

再び夕香ちゃんは修ちゃんを呼んだ
修ちゃんはしばらく茫然としてたけど
涙をこらえて、夕香ちゃんをなでてあげた。

修「夕香…お兄ちゃん…勝ったよ…」
里「よかった…ほんとに…っ」

私は夕香ちゃんが目覚めたことで
泣き出してしまった。
修ちゃんはこらえてるみたい…

夕「りかおねえちゃん、泣かないで?夕香は大丈夫だよ」
里「うん…っうん…っ」
修「里佳…泣くな。せっかく夕香が起きたんだ…笑わないと…」
里「そ、だね…ほんとよかった…っ」

こんなことがあるなんて…
ほんとに、ほんとによかった…

ただ、目覚めたばかりだから
体調は万全とはいえないみたいで
しばらくは入院しないといけないらしく
とりあえず今日は一度帰ることにした。
修ちゃんは学校に戻るみたいだから
私は足を先生に見せてから戻ろうかな

そう思って修ちゃんと別れたときだった

「五十嵐…里佳だな?」
里「だれ…?」
「豪炎寺修也…それに豪炎寺夕香を傷つけたくなければ、私たちと一緒にきてもらおう」
里「2人になにしようっていうの!?」
「ククッ…聞いたところで君に選択の余地はあるまい。」
里「…私がいけば、本当に2人に手をださないのね?」
「ああ、そうだ。では、きてもらおうか」
里「…わかった」

2人を傷つけないためには…
こうするしか…ない…
ごめんね、修ちゃん。

そうしてつれてこられたのは
よくわからない無機質な場所だった

「これからここで特訓してもらおう」
里「なにをさせるつもり?」
「サッカーだよ。君には足を治してサッカーをしてもらう」
里「それで、どうしろっていうわけ」
「君は優秀な人材だからな。われらのために働いてもらおう」
里「あんたたち…何者…?」
「エイリア学園…とでも名乗っておこうか」
里「聞いたことない…なんなの…!?」
「地球を征服するんだよ、ハハハハハ!」
里「そんなふざけたこと、手伝うわけないでしょ」
「ほお、あの兄妹が傷ついてもいいと?」
里「それは…!」
「ならおとなしく従え。そして…雷門イレブンを倒せ」
里「雷門を倒す…?」
「そうだ。」

そういって男は変な石を取り出した。
それを私の目の前にかざした。

「サッカーができなくて悔しいだろう…?そんな中あいつらはサッカーをしているんだ。憎いだろう?」
里「にく、い…」

なにこれ…
そんなこといいたいんじゃ…
あれ、なんだかぼーっとする…

「これを使えばあの豪炎寺修也だって倒せるぞ…?いつも彼には先をいかれて悔しかったろう?彼の才能に埋もれてなかなか自分はうまくいかない…そんな彼を倒せるぞ…」
里「修ちゃんを…倒せる…」

そう…悔しかった…
小さいころから一緒だったせいで
私は修ちゃんと比べられていた
修ちゃんにはできて、私にはできない
そんなことばっかりだった

修ちゃんを倒せる…私が…
倒したい…倒してみせる…!

里「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ」
「成功だな…ククク…せいぜいがんばってくれよ」
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