短編小説

□独占欲は愛の証拠
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不「おーい前田ぁ、おもしろいもん見たぜぇ?」
前「なんだよあっきーお」
不「てめぇのいとしの鬼道くんが五十嵐とかいうやつと屋上にいたぜぇ?」
修「なんだと…不動、本当か?」
不「あぁ?たりめーだろ?この目で見たんだからなぁ」
前「あわわ…豪炎寺くんおさえてね?」
修「…すまない、大丈夫だ」
前「こらあっきーお!(ボソッ)空気読みなさいよ!」
不「ああ?本当のことじゃねーふごっ」
前「うるさいだまれ」
修「…里佳」


お昼休みも終わるし
教室に戻ったら
なんだか険悪な感じ…?
修ちゃん黙ってるし…
何かあったのかな?

休み時間もだんまりだし
なんだか少し怖い…

HRも終わって部活だけど
やっぱりだんまり
…あ!今日掃除だ
一緒に帰れないかなぁ…

みんなが帰ってから
掃除をはじめてみると
想像以上に汚れていて
時間がかかりそうだった
やっぱり一緒に
帰れなさそうだな…
とか思ってたら
後ろに人の気配?


里「…?修ちゃん?」
修「里佳…話がある」
里「ど、どうしたの?」


ただならぬ雰囲気に
後ずさりしてしまう
いつの間にか
壁際に迫っていて
壁に背中がついた


里「しゅ、修ちゃん?」
修「里佳…」
里「ちょ、ちょっと…」


すごく怖くなって
横に体をずらして
逃げようと思ったら

ドンッ

修ちゃんの右手が
壁にたたきつけられ
行く手をはばまれた


修「逃げるな。…俺が嫌いなのか?」
里「ち、違うよ!ただ…修ちゃんがいつもと違うから…っ」
修「里佳…今日の昼休み何してた?」
里「え…そ、それは…」
修「鬼道といたんだろ?俺に秘密で」
里「それは…」
修「俺に言えないことか…?あいつが…好きなのか?」
里「え…っ?」


修ちゃんの言葉に
顔を上げると
怒りと悲しみで
顔を歪ませた
修ちゃんの顔があった


里「違うよ!私が好きなのは…修ちゃんだよ!鬼道さんとはただ…っ」
修「あいつを呼ぶな!!ここにいるのは俺だ…っ!俺なんだ!!」
里「修ちゃ…っ!んん…っ!」


怒りにまかせたキスは
すごく悲しくて…
すごく息苦しかった
辛くて修ちゃんを
押しのけてしまった


修「う…っ」
里「ご、ごめん!でも…でもっ!今の修ちゃん怖いよ…っ」
修「里佳…すまない…俺…お前が離れてしまったような気がして…くそ…っ」
里「修ちゃん…今日ね、鬼道さんに相談してたの。…修ちゃんのこと」
修「…俺の?」
里「うん…実は最近ね、修ちゃんが優しすぎて…何考えてるかわかんなくて…ずっと戸惑ってたの。傷つけたくなくて、言えなかった…」
修「そう…だったのか…すまない、俺が里佳を困らせてたんだな…俺のせいで怖がらせてすまない…」
里「ううん、私が言わなかったから誤解させちゃって…ごめんね。でも私が誰と話したりしても、好きなのは修ちゃんだけだからね」
修「里佳…俺も、里佳だけを見てる。お前が好きだ。お前だけなんだ」
里「うん…っうぅ…っ」
修「り、里佳、泣かないでくれ…」


泣き出した私を
修ちゃんは優しく
抱きしめてくれた


里「ねぇ修ちゃん。…さっきのキス…辛かったから…優しくしてほしい…な…」
修「ああ…里佳…」


今までのキスの中で
一番優しい…
お互いの気持ちも
再確認できたし
これはこれで…
よかったかな


後日


前「ねーねーりかっぺ!」
里「ん?なにー?」
前「(ボソ)昨日…部室で豪炎寺くんとキスしてたでしょー」
里「え!?あっ、な、なんで!?」
前「ふふふー(ニヨニヨ)」
鬼「そのへんにしといてやれ」


み、見られてた…!!
恥ずかしすぎるー!!


-end-
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