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□ワガママ 後編
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「ひっひぎゃぁぁぁあああぁあ!!!!!!!」

ゴスッ

「ぐはっっ!」

チャイナのひじが見事に俺の鳩尾にヒットした。

「っ!!」
俺は声にも出ない激痛を受け床に倒れ込んだ。
同時にチャイナはすくっと立ち上がりテレビの電源を入れた。
「そ そーいえば今夜の金曜劇場はラ、ラピ、ラピュタだったアル!!お お前!さっさと風呂に入って歯磨いて宿題して寝るヨロシ!」
チャイナはビシィッと俺を指差し何事もなかったようにソファに座ってテレビを凝視し始めた。
宿題って……
「じゃあ遠慮なく入らせてもらいまさァ」
俺はいつも通りの声でそう言って風呂場へ向かった。



***********

バタンっ

風呂場のドアが閉まったことを確認してから私は大きなため息をついた。

「……なにアルカ。あのサド野郎いきなりなにしてくれちゃってるネ」

サドに触れられた首筋がくすぐったい。
噛みつかれることはなんとか避けられたが…………


「あいつ………なっ……舐めやがったね…神楽様の首筋を……!!」

思い出したら顔に熱が籠もって鼓動が速くなる。

「あんのサディスト耳元で囁くように話しかけやがって……ドキドキしてしまったネ………て、何言ってるアルカ私ィィィィ!!!!!」

思い切り床を殴る。
もちろん穴が開く。

「からかっただけダロどーせ!!忘れよう。うん。今はムシカ大佐に集中するネ」

私は再びテレビに集中した。



********

「ハァァァァ……」
俺はシャワーを浴びながら壁に手をついてため息をついた。

……我ながら大それた事をしてしまった。
調子に乗りすぎてチャイナの首筋を舐めてしまった!!

「……でも結構よかったイヤイヤイヤイヤ!」

とにかくチャイナにとんでもねぇ事したんだ。出たら謝っておこう。
追い出されそうだな。仕方ないか。忘れることなんてチャイナには多分できない事をしたんだから。

俺は風呂場を出ようとした

が、ふとお湯がたまった湯船を見た。

…チャイナが入った風呂…!!入っていいか?入っていいのか!?

念のため聞いとこう。
「おいチャイナぁ、風呂浸かってもいいのかィ?」

どんな反応すっかな

「……………………」

あり?
無視する攻撃か?

「チャイナぁ?」

「………………」

再び無反応。

様子を見に行くため俺は服を着てリビングへ向かった。

「おいチャイナ 無視するとはいい度胸……」
俺は口を閉じた。

え?なぜかって?

そりゃチャイナがラピュタ見ながらソファで鼻ちょうちん作って爆睡してるからにきまってんだろィ。
「……チャイナ おーい」
頬をペチペチ叩いてみる

「んーシュコンブぅ〜 …も食べれないアリュ…」


なに
なにこの可愛い生き物??!!
面白いので次は頬をつついてみた
ぅわ プニプニしてる…
頬をつついてる指を次は唇に移動させる

…柔らけぇぇぇ!!
謝ることを忘れた俺はまた調子に乗って懐から手錠を取り出した。

「チャイナ…ちょっと我慢しなせェ」


カシャンっ


俺はチャイナの腕に手錠をかけた

途端


バチンっっ
チャイナの鼻ちょうちんが割れた。
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