宝物殿

□相互記念・あおか様より☆
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柳宿、井宿、翼宿に声をかけて雪は自分の部屋でお茶を楽しんでいた。
ちょっと遅れて部屋に入ってきた翼宿が井宿に話しかける。

「なぁ、井宿」

「だ?どうかしたのだ?」

「部屋に来る前にな、星宿様に呼ばれてん。何や知らんけどお前に客が来とるらしいで…女の客が」

「っ…げほっ…女の客…?」

「何、茶むせてんねん…まぁ、お前をご指名らしいで〜」

井宿は翼宿に突っ込まれながら席を立ち上がる。
恋人、雪の前で女の客と強調され飲んでいたお茶を噴出しそうになった。

見当がつかない。
自分に女の客が尋ねてくるとは一体誰なのか・・・。

「まぁ…誰だか知らないけどオイラを尋ねていてるのだから…
ちょっと席を外すのだ、雪」

「うん」

雪に一言告げて部屋を出る井宿。
それと入れ替わるように翼宿が部屋に入って席に座る。

井宿が行ってしまったので
雪の気持ちが下がってるように見えた柳宿は声をかける。

「ねぇ、雪」

「え?なあに、柳宿」

「気にならないわけ〜?あの、井宿に女の人が尋ねに来るなんて」

思っていることの的を得ていたので
柳宿の言葉に少し動揺する雪。

確かに、柳宿の言ってることはあたっているが・・・

「気にならないといえば嘘になるけど。まぁ、流浪の旅人だった井宿のことを考えれば七星士で今は宮殿にいるっていたら
誰かくるんじゃないかなぁ〜って・・・」

「それはそうだけど〜」

彼は七星士として紅南国の宮殿に集まる前までは大極山にいたり旅をしていた。
そのときに知り合った旧友が宮殿に訪ねにきてもおかしくはないのだが・・・。

「い〜や」

雪の言葉を聞いていた翼宿が声を上げる。
柳宿と雪は翼宿の顔を見た。

「翼宿?」

「あいつも男やさかい。それに・・・ぎゃぁ〜〜っ!」


ドカッ!
話の途中に柳宿が翼宿を壁に飛ばした。
雪は壁に激突している翼宿を見ながら頭では井宿のことを考えていた。


「ったく、翼宿は女心をわかってないんだからっ!…雪」

「え?」

「大丈夫よ、井宿はあんたに惚れてるんだから」

「う、うん…」

とりあえず頷いたけど色々考えてしまう。
自分と井宿は10歳も年が離れてる。
子供っぽい自分よりかはるかに大人の人が彼には合うのではないだろうか。
そう思ったのは今日が初めてではない。

そのたびに井宿は不安になる心を落ち着かせてくれたのだけど・・・。

「私、ちょっと井宿見てくる!」

「え?ちょ…ちょっと雪!」

柳宿の声も聞かずに雪は部屋の扉を開けて出て行った。

「気持ちはわからないでもないけど慌しい子ね〜」

「柳宿〜!お前、いきなり何すんねん!だから言うたやろ」

壁から戻ってきた翼宿が椅子に座りなおす。

「ま、そのほうがお互いの気持ちがちゃんとわかるってもんよ」

そういって主のいない部屋で翼宿と柳宿はお茶を続けはじめた。
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