S H O R T

□告白
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今年の2/14日、



俺、チョコもらったんだ。





隣の席の子に。






《言っとくけど、本命だから!!》






顔、真っ赤にして





俯いて。






嬉しかった。





俺も、好きだった・・から。





でも・・・





あまりの驚きと恥ずかしさですぐに返事ができなくて・・・






そしたら、





《あ…私の気持ち、わかってくれればいいから!!》






って言われて・・・






返事、言いそびれた。







あっ、今笑っただろ!?





俺だって、結構努力してるんだぜ?






返事だって、するつもりだ。













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『終わらない〜意味調べ!!;次の時間当たるのに;』





「…あ、俺もやってねぇや」





『辞書は?…えっとこの意味は…』





「持ってきてない」





『はは、一馬らしい笑
次貸してあげる、ヒストリー機能使えば速いから』






「サンキュ」






いいヤツ、マジで。






俺を困らせないために、






あの告白のあとも普通に接してくれてる。






こういうお人好しでやさしいところ、





好きなんだよな。









『…ま!一馬!』





「え?;」





『ほら、時間ないんだから早くやりなよ!はい、辞書』






「………うん」






ヒストリー、ヒストリー。




[A]造次顛沛





[B]紫電一閃





[C]容貌魁偉





[D]嚢中之錐








・・・箔っ!!!!;







これじゃ焦るわけだ;









・・・・・・・・・。








いいこと、思いついた。







俺は意味調べそっちのけで(何しろ今日は当たらない)、



こっそり電子辞書のリセットボタンを押し、



広辞苑のヒストリーを消した。






そして、新たにヒストリーを残して辞書を返した。





「サンキュ、終わった」





『泊ャっ!!感謝しなさいよねっ』





「はいはい」





『私もこれで当たっても大丈夫…あれ、これ何て意味だっけ…?』






アイツはヒストリーを見た。






『え…………?』






俺は顔を背けた。






きっと真っ赤だったから。









ごめん、





直接ちゃんと言えるまで、






もう少し待ってて。














END +

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