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□鬼百合
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「ぷれっぜんっふぉおおおおゆぅうううう!!!!」

「……なんだ…これは」



おや、ギロロが三白眼を丸くして驚いている。貴重だね。

私が渡した傍目どぎつい赤の花を複雑そうな顔をして受け取るギロロ。

私が面白がってその様子を見つめていると、ギロロはもう一度冒頭の疑問を繰り返した。



「何って鬼百合だよ。知らないの?」

「……」

「大丈夫!よく似合ってるよ!」

「どういう意味だ!!」



まんまの意味だ!

あれでしょ?ギロロってケロン星では赤い悪魔とか言われてるんでしょ?

…ぴったりじゃん!



「何がぴったりだ!こんな半端に赤くて斑で…俺に似ている花ならもっと格好の良いのがあるだろう!」

「ちなみに花言葉は荘厳・富と誇り・賢者などなど」

「…………」

「うわ。まんざらでもないのか」

「うっ うるさぁい!」



赤い顔を赤くして可愛いな。声裏返ってるけど。

うけけけ。笑いながらギロロの手から鬼百合を取って、ギロロのテントの隣に置く。



「どうだ。ん?そうかそうか。喜んでもらったようで良かったよ。うふふふ」

「おい」

「あれ?ギロロ変わった?なんつーかこう荘厳があるってーの?ますます惚れ直したぜー」

「こっちみて話せ!」



花見て話してました。冗談なのに。

怒ることなにじゃん、ふざけただけなのに。



「気に入らなかったのか?」

「当たり前だろう」

「しかたないなー!ギロロの喜ぶようなものって私には買えないんだもん。武器とか武器とか武器とか」



私が指折り数えていると、ギロロは疲れたように溜息を吐いていた。



「俺はお前が居れば、何も要らん…」



「あん?なんか呟いたか?」

「知らん。こっち見るな」








end

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