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□スミレ
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「見てくれこの美しき黄のスミレを!」
「あん?」
「君と同じ色だね!貰いたまえよ!」
「いらねぇ」
「そんな事言わずに!私の愛だぞ!」
うふふふふふふ。
そんな気持ちの悪い笑い方をしながら、こいつは小さい黄色の菫を俺に差し出していた。
眼がきらきらしていてすっげぇうぜぇ。
普通に渡してくれんなら貰うんだがな。
「言い方が違うだろーが。貰いたまえじゃねぇ」
「じゃ、あげる」
「違う、違う」
「どうすりゃいいんさー」
「『貰いたまえ』じゃなくて『貰ってください』だろうが」
「貰ってください!」
言っちゃうのかよ。
まぁいい。悪い気はしねぇからな。
差し出してきた手から菫をひったくり、デスクの上に置く。
振り向くと、いい笑顔をしていた。
「…なんだよ」
「御代を頂きマスご主人様」
「やっぱ返す。そんで帰れ」
end