ほんだな
□思ひでて 恋しきときは 初雁の 泣きて渡ると 人知るらめや
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「ふぇ・・・」
先生の話を聞くとさくらは突然泣き出した
「ありがとうございました先生
大変分かりやすかったですわ」
知世は先生にお礼を言うと職員室を出ると
校庭へとさくらの手を引いていく
「大丈夫ですか?さくらちゃん」
さくらにハンカチを渡しながら知世は心配そうにさくらを見つめる
「うん。大丈夫・・・
いっしょだなぁと思って」
さくらは涙を拭くとありがとうと言いながらハンカチを返す
「一緒・・・ですか?」
知世はさくらの言っていることが分からず首を傾げて訊ねる。
「うん・・・
私もね、どうしても小狼君と会いたいなって思うと、小狼君と一緒にいた場所を回っちゃうの・・・
だから、なんかあの和歌詠んだ人の気持ちが分かっちゃって・・・」