HUNTER×HUNTER
□大きな子猫
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*イルミ×猫耳少女
ある日の午後、穏やかに佇むククルーマウンテンの頂きにある大きなお屋敷にはとても可愛い子猫が飼われている。
子猫と言っても猫の耳と尻尾が生えた少女は、自分の飼い主が誰であるのか把握していたし自分がペットとしてこの家におかれているのも理解していた。ただ、自分の飼い主でありこの家の長男であるイルミは自分をペット以上に思っているみたいだった。
*『餌をあげよう!』
先程からイルミと子猫の無言の戦いは続いていた。イルミの口には何故かナナシの餌があり、イルミは頻りに口をナナシに近づけている。
「いらないの?」
「……いる!」
イルミの最後通告に子猫は数秒迷った後、イルミの口元にぶら下がったご飯を口で掠めとった。
「よく出来ました。おいで?」
「……」
若干不機嫌な顔の子猫は、イルミに抱きしめられるとすぐ顔を緩ませた。餌やりには毎度多大な面倒を付け加える飼い主だが、抱きしめられるのは好きな子猫だった。
そんなこんなで、一日に三回はこのマヌケな行動を繰り返す主従に周りはいつも振り回されるのである。