HUNTER×HUNTER

□巡る想い
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「別れよう、イルミ」


落ち葉が舞う秋に、私は彼と別れた。
理由は簡単、私が彼にとって不利な情報を流してしまったから。








事の発端は、一週間前に戻る。

私は、イルミを狙ってるマフィアに捕らえられた。私は彼の恋人なのに、一切の力を持たず簡単に捕らえられた。その時の私に出来たことは、イルミの情報を奴等に与えないことしかない。




それなのに、私はあの時彼の名を呼んでしまった。
いくら安心と嬉しさで周りを見失っていたとはいえ、無力な私が出来る唯一のことが出来なかった。
そんな自分を恥じたし、このまま彼の隣にいることは出来ないと感じた。




いつも言われていた言葉がある。それは、『俺が、ナナシを助けに来たら俺の名前は呼ばないで』だった。
しかし、私は彼とのそんな細やか約束でさえも守れず、名前を呼んでしまったせいでイルミの顔がばれてしまった。
イルミの首を取ろうとしている奴は、五万といる。これ以上、彼を危険に晒すことをしたくなかった。
だから、イルミから離れた。




「…分かった」


たっぷり三分間、イルミは沈黙した後、涙を我慢する私に聞こえたのは愛しい人の承諾の言葉だった。
少しの迷いもない返答に、大分心は痛んだがそれでも、人知れず安心した息をもらしたのは言うまでもない。
















Side.I


いきなりカフェに呼び出されてナナシが開口一番に『別れよう』って言ってきた時はなんの冗談?って本気で思った。
眼下に揺れるホットコーヒーには、動揺した自分の姿が視線の片隅で見てとれた。




一週間前、ナナシが連れ去られるっていう事件が起きた。頭に血が上った俺は、顔を変えずにナナシを助けに行った。
そのことに、後悔したのは随分と後。
でも、だからといってナナシのせいじゃない。




しかし、ナナシが今回の事件のことで俺の傍を離れたいって思ったのなら俺に止める権利は無い…。
だから、したくない離別の提案に承諾という返事をした。


「…分かった」


本当は、嫌だ。ずっと一緒にいたいって思ってるし、そうするつもりだった。
だけど、一般人のナナシと暗殺屋の俺とじゃあ違い過ぎるから、哀しい選択でしかないけれど君の傍を離れようと思う。


俺が椅子から立ち上がるとナナシの体がビクッとはねた。泣いてるってわかってるのに、涙を止めることが出来ない俺を…


どうか、赦して欲しい。



end

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後書き

シリアスに挑戦してみたケド、ムリだった…orz

↓↓日常[イルミ×月食]
















「俺じゃないし、何してんの?」
「ぃ、イルミ!?今日は、仕事で出てるんじゃ…」
「あんな雑魚、一分で十分」
「一分っすか…。お疲れ(゚▽゚)/」
「でさ、コレ俺じゃないよ「よし、寝ようか!」
「…チッ」
(うざ、こいつ。殺そう…)

「お、お休み!」


月食が、ベッドに逃避行しました。


「あ…。まぁ、今回は許してあげようか?」


イルミが、ログアウトしました。



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