解読不能
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「やっべー………」
起きたら、目覚まし時計が破壊されていた。この部屋には俺しかいないのだから、犯人はもちろん俺。
時計を壊してしまったこともヤバいのだが、一番ヤバいのは────
「……10時過ぎてる………」
俺の職業は高校生。しかも三年生。相変わらず勉強に身は入らないが(だってつまんねぇし)受験生なわけだ。
「大遅刻じゃんっ!!」
慌ててパジャマ代わりのシャツとジャージを脱ぎ捨て、制服に袖を通す。
腹減った………けどメシ食ってる場合じゃねぇ!!
「行ってきますっ!!」
机の上にある写真立てに声をかけて俺は一人暮らしのアパートを飛び出した。
「三時間目には間に合いそうだな……」
腕時計を見ると10時半。あと10分で二時間目が終わる。
学校まであと100メートルも無い。職員室で説教喰らってもいいくらい余裕がある。
元陸上部で良かったぁー………。
そんなことを思いながら角を右に曲がると。
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