解読不能

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「や、やめて下さいっ!!」

「キレイな姉ちゃんじゃねぇか」

「俺たちと遊ぼうぜ?」



キャリアウーマン風のお姉さんにチンピラが絡んでいた。

うーわ、最悪………朝からバッカじゃねぇの?

嫌がるお姉さんの腕やら肩に触れているチンピラ三人に俺は声をかけた。



「ちょっとお兄さん、邪魔なんだけど?」

「あぁ? ガキは引っ込んでな」

「行こうぜ、姉ちゃん」

「邪魔って言ってんだろ? 物分かり悪いなぁ」



俺がそう言うとチンピラたちはお姉さんから離れ、俺を囲むように立った。



「痛い目に遭いてぇようだな、クソガキ!!」

「遭わせてみれば?」



一斉に殴りかかってくるチンピラたちの隙間から抜け出し、そのうちの一人に後ろから蹴りを喰らわせた。



「ぐあっ!」

「痛い目に遭っちゃったね〜」



残り二人にはそれぞれ鳩尾に蹴りを入れてやる。動きが遅いせいか吸い込まれるように蹴りは決まった。

ドサッとチンピラ三人はその場に倒れ込んだ。



「ねぇ、お姉さん」

「は、はい」

「後は俺に任せてもう行きな? そこにいたら危ないからさ」



俺がそう言うとお姉さんは一礼して走っていってしまった。

あーあ、三時間目には間に合いそうにないなぁ………。



「……ん?」



倒れているチンピラの近くに白い粉の入った真空パックみたいな袋が落ちていた。

それを拾い上げて観察する。



「……Z、E、R、0………?」



パックに貼り付けられたラベルにはアルファベットが3つ並んだ後に数字のゼロ。

これは英語のゼロを暗号っぽくしたもの、か?

それにこの粉は………。



「おい、お前」



急に暗くなった視界と知らない声に俺は顔を上げた。




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