解読不能
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皆さん、こんにちは。神崎蒼衣です。俺は今、情報課とやらにいます。
「こんにちは。実際に会うのは初めてだなぁ♪」
猫っぽい顔で柔らかい雰囲気の男。
「名前くらい名乗りなさいよー」
特徴的なショートカットで活発そうな女。
「…………」
ひたすらキーを打つ左目の下に2つホクロがある男。
「あの、」
「情報課にはもう一人、桂木課長っていうサングラスをかけた人がいるんだけど、今は出かけてるの」
俺の話は聞かない方向ですか。
衛藤さんか梶さん……この際倉林さんでもいいから、誰か俺を助けてくれ……。
「あ、自己紹介してなかったわね。あたしは立花美佳よ。よろしくね!」
「俺は三好誠治。んで、あっちが威武さんね」
ちらりとこっちを見てから威武さんは再びキーを打ち出した。仕事熱心だな。
「うーん、やっぱ写真で見るよりいいわねぇ♪」
ジロジロと立花さんと三好さんが興味津々に俺を見てくる。
……何だ? そんなに見られると居心地悪いんだけど。
「あの、」
「三好くん! 例のアレ、持ってきて!!」
「ラジャー♪」
俺、泣いていい?
マイペースな二人に軽くぐったりしていると威武さんから視線を感じた。
「……何ですか」
「頑張れよ」
「はぁ……?」
頑張れって、何を?
その疑問について深く考える前にあっさりと答えが出た。
三好さんの持ってきたものが答えそのものだったからだ。
「うげっ!」
視界にチラつく女物の服を見て経験上悟った。着せられる……!!
「ダメ。逃がさないよ〜」
「放せっ!! はーなーせー!!」
「三好くん、そのまま押さえててね」
俺を押さえつける三好さんに全力で抵抗する。が、両腕を押さえられてしまう。
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