criminal
□FILE.2 Secret Garden
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「……色々、訊きたい事があるのにな」
だが、ポツリと零した言葉は、冷たい空気に溶けていくだけだ。
テーブルと脇に置かれたコンピュータ。それだけがぽつりと置かれているだけの、寂しい空間。
夜を支配する冷たい空気から守るように、毛布でしっかりと煌を覆った。
―― おかしいよな……
煌と再会するまで、色々な事を考えていた。
何を言おうか。
何を訊こうか。
どう切り出そうか。
でも、それは全く意味をなさなかった。
本人を目の前にして浮んだ想いは“愛しい”その一言で。
どこまでも囚われている自分が、酷く滑稽ですらあった。