criminal
□FILE.2 Secret Garden
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静寂を破ったのは、けたたましく震える携帯通信機。
カルノは、煌が目を覚まさないようにそっと身体を起こす。
テーブルの上で淡い光を点滅させながら持ち主を呼び続けるそれを手に取った。
ディスプレーに浮ぶ名前に、僅かに顔をしかめた。
自分のものではないというのに、遠慮なく通信ボタンを押す。
「もしもし」
『もしもし?やっと出た。久しぶり……と言うべきかしらね?』
相手は、煌ではなくカルノが出ることを予測していたらしい。全く動じた様子もなく、そう告げた。
対するカルノも、きっと煌の通信機に自分が出る事を見越して連絡して来たであろう相手に、あからさまに溜息を吐いた。