criminal
□FILE.2 Secret Garden
70ページ/94ページ
しばし通信機と虚しい睨めっこを繰り広げてから、諦めたように肩を落とした。
そのまま、そっと通信機をテーブルの上に戻す。
煌を毛布で包み直して静かに立ち上がり、出掛ける準備に取り掛かる。
そうは言っても、無造作に脱ぎ捨てられた服を着るだけなのだが。
決して、“しばらく起きない”事を告げられたからではない。
煌の眠りが深い事は、カルノも重々承知していた。
恐らく、起こすまで起きないだろう事も、容易に想像は出来る。
用意を手早く済ませると、カルノはもう一度だけ煌へと振り返った。
「じゃあ、ちょっと行って来るからな?」
そっと呟くように言って、静かに部屋を後にしたのだった。
**********