criminal

□PROLOGUE
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暗い暗い夜 ―― 月さえも出ていない
 
「……あっ……」

茫然と佇むその眼前に広がるのは緋色の海

段々と失われていく温もり

―― これが、罰?

ただ、会いたい……

それだけだった。

「……やだ……」

見開かれたその両の瞳から、涙が静かに流れ落ちる。

「……生っ…ろ……」

息の合間から漏れた最期の言葉。

それは

とても

残酷な言葉……



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