criminal
□FILE.1 Seal Release
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『あんたの探し人は、スルンバーペニンスラにいるよ』
昼間、突如として現れた額に傷を持つ情報屋が、そう言った。
「ガセじゃないかもしれないだろっ!?それにあいつの情報が外れたことはない!!」
怒鳴るようにして叫ぶ。と、自分の勢いに気まずさを感じたのか、ふいっと顔を逸らすとまた歩き出した。
―― 急がないと、また逃げられてしまう……
その恐怖が、先へと急かす。
「何をそんなに慌てているんだ?」
その言葉にやっと自ら立ち止まり、拳を握って独白のように言う。
「怖いんだよ!もう1年だっ!探して歩いて……1年だぞ!?」
いつも付き纏うのは、言い知れない不安。